A君から突然メールをもらったのは2004年の9月のことでした。現在ドイツのユーリッヒと言う街に住み、生物科学者として研究に明け暮れる彼とは、20年近く前・・・、彼が東北大学の学生、私はスペイン留学から帰国したばかりで、プロの演奏家として活動を開始したばかりの頃でした。彼と知りあったのは、私の楽器を製作して下さった三浦隆志氏の家でのこと。私が仙台の三浦氏の家を訪れると必ずと言っていいほどA君はやって来て、その小柄で華奢な体躯には似合わない、旺盛な意欲で、音楽のことや楽器の話に加わってきたのでした。そのバイタリティーはとどまるところを知らず、仙台で私の演奏会を企画してくれたり、また私が三浦氏の製作した新作のギターを入手したとき、前の楽器を彼が購入したりと、懐かしい想い出に溢れた青年でした。
彼が東北大学の大学院を卒業して北海道大学に行くと自然と音信も不通となり、十数年が過ぎました。そして突然彼から、しかもドイツからメールを受け取ったときの私の驚きと慶びは言葉では言い表せないほど大きなものでした。やがて彼は折に触れてドイツで聞いた演奏会のレポートを送ってくれるようになりました。その話しが私達二人だけの会話としておくにはあまりにも勿体無いほど、興味深いので、ここにそれらを公開することといたしました。

2005年6月/藤井眞吾

 


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