2005年6月27日

藤井眞吾様

こんにちは。いかがお過ごしですか?日本はもう初夏の装いでしょうか。こちらもずいぶんと暑くなり、先日は35度近くまで気温が上がりました。同僚のロシア人は「こんなに蒸し暑いのは絶えられない!」とぼやいていますが、日本人の私にすれば乾燥して日陰に入れば涼しいし、中々過し易い環境です。

この週末、ユーリッヒでは手作り芸術(?)品の市がありました。近郊からセミプロ・アマの芸術家が集まり、広場の露店に自分達の作品を展示、販売していました。いかにも素人っぽい作品から、これはと唸らせるような物まであって、中々楽しかったです。年1回開催されるこの市はまだ始まって間もないのですが、中々好評のようで年々規模も集まる人々も多くなっているような気がします。

また、この日の夕方には「インド音楽とダンス」を聴きに行って来ました。このコンサートのユニークな点は、アマチュアグループの主催で、そのメンバーの一人の私邸で開かれたことです。このグループは折々にセミプロ・アマなどの音楽家を招き、定期的に各々の自宅を開放してサロンコンサートを開いています。過去にもイランやアフリカなどの音楽・ダンスを紹介していました(最近は政治的、経済的な理由で本国に居られなくなった国々の人のパフォーマンスが多いです)。

僕は以前、「ギターソロによるタンゴ・中南米音楽」の時に初めてこの催しに参加しました。そのときの演奏は正直言ってヘタクソだったのですが、休憩時間に手作りケーキが出されたりしてアットホームな雰囲気は中々良いものでした。入場料は無料ですが、一応演奏者への心付けとして休憩時間に主催者が寄付を募ります。まあ、演奏が気に入らなければ払わなくても良いのですが、やはりその場の雰囲気で2〜5ユーロくらいは皆寄付しているようです。また、手作りのCDなどが売られていることもあります。

今回の「インド音楽とダンス」ですが、前半はハルモニア(インドのアコーデオン?)とシタールによる演奏で、後半はダンスでした。前半の演奏は素人臭く「まあ、こんなものか」という感じでしたが、後半のダンスは素晴らしく、このシリーズには珍しく(?)レベルの高いものでした。この日は折悪くサッカーのブラジル・ドイツ戦と重なってしまい観客は10名程度。しかし、逆にいえば贅沢な時間を過ごさせてもらえました。

ヨーロッパに来て感じた事ですが、こちらはアマチュア音楽家・芸術家の層が厚く、これらが積極的に公共の場で演奏・発表することです。上記のような自宅を開放したサロンコンサートや、街角などでの演奏など生の音楽に接する機会が多いような気がします(逆に商店街のBGMのようなスピーカーから出てくる音はほとんど無く、これはとても喜ばしい)。時には中々上手い人もいて、つまらなかったコンサートの帰りに街角の演奏を聴いてこちらに感激したなんて事もありました。

来週から僕はリヒテンシュタインで開かれるギターフェスティバルに行ってきます。デイヴィッド・ラッセル、アルバロ・ピエッリ、パヴェル・シュタイドルそして日本から福田進一さんと豪華なメンバーが参加しますので、今から楽しみです。次回はその模様などを伝えられたらと思います。

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