2005年5月2日

藤井眞吾様

リサイタルお疲れ様でした。ネットで見た様子では盛況のようでしたね。返す返すも、聴きに行けなかったのが残念です。

こちらは寒くなったり暑くなったりが続き、イマイチ春らしくありませんでしたが、昨週末からようやく暖かくなってきました。この週末はドイツ各地で春の到来を告げるお祭りMaifestが開かれていました。私達夫婦も元東西ドイツ国境近くにあるハルツ山地方へ来るまで旅行に行ってきました。このハルツ山地は魔女伝説として有名で、4月の最後の週末にはドイツ各地から魔女がこのハルツ山脈に集まってきて集会を開くのだそうです。「私は実は魔女」と言い張る妻の希望で、この近辺のお祭りを見てきました。

残念ながら今ではこれらのお祭りもすっかり商業化してしまい、伝統的な雰囲気はあまり残っていませんでした。以前はハルツ山脈が東西ドイツの国境近くにあったため、冷戦時代には軍事施設がおかれ民間人の立ち入りが禁止されていたそうです(勿論お祭りも)。そのためこの祭りが再開されたのも、東西ドイツ統一後からで、まだ10数年しかたっていないのだそうです。東ドイツの時代に多くの古い風習が失われてしまったのかもしれません。

それでも、ゴスラーと言う町へ行った時は、広場で「中世」フェスティバルをやっていて、古いものでは12世紀ころから残っている町並みと調和して、中々楽しいものでした。この、「中世」フェスティバルと言うのは、通常のフェスティバルと違い、出店もそこの店員も中世風の着物、飾り付けをしています。ブタの丸焼きなど(生け贄のつもり?)がこれ見よがしに売られていたり、ビールも通常のガラスのコップではなく、素焼きのコップに注がれます。店員の態度もちょっと芝居がかっていて(本当に中世風かはともかく)、それなりに「中世」の雰囲気をかもし出していました。これで、古楽器で古い舞曲でも演奏していれば格好が良かったのですが、かかっていたのがヘビメタ(所謂ゴシックメタル「ゴスメタ」というやつです)だったのはご愛嬌でした。

この中世フェスティバル、最近ではドイツ各地で開催されるようで(僕のいるJuelichでもありました)、ドイツ人の中世に対する思い入れが見えるようで面白いです。

> ラファエラを聞いたんですか、そうですか、疲れてましたか彼女。
> A君のところからアントワープは近いのですか?

そうですね・・・ひょっとしたら目を閉じて集中(?)していたのかもしれませんが・・・でも、集中していたらコックリはしませんよね。そのすぐ後に自分の出番が来たら何事も無かったかのように演奏してしまうのも、よく考えたら凄い事ですね。

アントワープは僕のいる所から車で1時間半から2時間くらいのところです。本物のアールヌーボー期の家並みが残る一角、レンブラントの家、「フランダースの犬」の舞台、世界第2位のダイヤモンドの取引、ユダヤ人街など中々興味深い町です。本当は彼女のレッスンでも受けられたら嬉しいのですが、ちゃんとそれなりのレッスンを受けられる演奏レベルにしないと・・・。

> やりたいのはやまやまなれど・・・、そういう技術がありません!
> だいたいビデオカメラが(しかも15年前の8mmビデオ)こわれてます!

うーん、残念ですね。それではいつか生演奏を聴けるのを楽しみにしています。それではまた。

from A

 
 
フレーム表示はこちらをクリック

WARNING!/本サイトに掲載されている画像、文章等、 全ての内容の 無断での転載・引用を禁止します

Copyright © 2005 Shingo Fujii, All rights reserved